1203人が本棚に入れています
本棚に追加
私は理沙さんの言っている意味がわからず眉間にしわを寄せてしまった。
パートナーとして迎えたいはわかる。
また以前のように一緒に仕事がしたいのもわかった。
でもそれに私が協力するってどういうこと?
この人、勝手すぎない?
「協力?」
「そう」
「そんな事しなくてもコウに直接言えばいいんじゃないですか?私が協力することなんてないと思いますけど」
そうだ。理沙さんが直接コウに言えばいいだけの話だ。
コウが自分で決める事なんだし。
それに私が理沙さんに協力できる事なんかないし、したくもない。
私は理沙さんの身勝手さに息巻いた。
すると理沙さんは「はぁ」と溜息をつくと寂しそうに言った。
「私が言っても彼は来ないわ」
「えっ?」
私はそんな理沙さんを見て驚いた。
だってその顔は本当に自信がなさそうだったから。
たぶんコウに断られると思っているのだろう。
この人は常に自信を持っているように見えるけど、コウに関しては自信がないんだ。
本当にコウが好きなんだ。
「あなただってそう思うでしょ?」
そう言うと理沙さんは私を見た。
理沙さんが言ってもコウは来ない。
あなただってそう思うでしょ?って…。
そんなの…。
「…わかりません」
だってこれはコウが決める事なんだから。
私にはわからない。
最初のコメントを投稿しよう!