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「そ…そんな事ないよ」
私は言い当てられた事に驚き、慌ててしまった。
華ちゃんはそんな私を冷めた目をしながら見ていた。
そしてニヤリとするとからかうように言う。
「怪しい。だって先輩ニヤニヤしてたもん」
その顔は完全にバカにしているようにも見える。
でも私は華ちゃんの前でそんな顔をしていた事が恥ずかしかった。
ニヤニヤって…そんな顔してたの?
それもコウの事を考えているのがわかるって…すごく恥ずかしい。
だから私は適当に誤魔化しながら話を変える事にした。
「ははは…で、何言おうとしてたの?」
「ダーリンですよ」
「は?」
私は華ちゃんの言っている意味がわからなかった。
ダーリンって…コウの事?
「だーかーらー。明日から沖縄なんですよね?」
沖縄?あ…そっか。
私はやっと華ちゃんが話したい事がわかった。
コウの出張の事を話していたんだ。
「あ…うん。そうだよ」
そう。コウは明日から沖縄だ。
前に話していたアイスのパッケージの関連の作業でしばらく帰ってこない。
「きっと明日の今頃は海でバカンスかなぁって。あーいいなぁ私も行きたい」
華ちゃんは「はぁ」と溜息をつくと羨ましそうに言った。
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