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「海でバカンスかぁ。華ちゃんらしいな」
コウは話を聞き終わるとビールを飲みながら言った。
ランチでの華ちゃんとの会話をコウは静かに聞いていた。
相変わらずコウは積極的に聞くって感じではないけど、ちゃんと話を聞いてくれる。
それが嬉しくて私は一人で話していた。
「そうだよ。仕事なのに遊びに行くのと勘違いしてる」
私はそう言うと「ふふふ」と笑った。
沖縄出張を翌日に控えた夜、私達は夕食後いつものようにリビングで過ごしていた。
コウは「明日からしばらく会えないからどこかで食事でもする?」と言ってくれたけど…。
でも私は家でコウと過ごしたかった。
洒落たレストランもいいけど、住み慣れた我が家でのんびりと過ごす。
私が作る夕食を美味しいって食べてくれる。
誰にも邪魔されずに二人っきりでいられる。
共有した時間を過ごせるっていいな。
「ははは。まっ時間があったらビーチでのんびりもいいかもな」
「えっ?ビーチに行くの?」
「長くいるから1日ぐらいはいいだろ?」
「まぁそうだけど…やっぱり羨ましい」
「じゃあ一緒に行く?」
「無理」
「だろ?」
コウはそう言うと「あはは」と笑った。
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