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ミウに会う日、俺は朝から鏡と睨めっこしていた。
スーツに合わせるネクタイを選んでいたからだ。
俺は鏡に映った自分を見ながら2つのネクタイを合わせていた。
青と紫のネクタイ。
濃いグレーのスーツに合うのはどっちだ?
シャツは真っ白にしたから…青の方が清潔感があるか。
いや、紫も今風で悪くない。
ミウはどっちが好みなんだろう?
そういや何色が好きって聞いたことないな。
いや、あるかもしれないけど覚えてない。
俺はどちらにするか悩んでいると、ふと動きが止まった。
って俺何やっているんだろう?
青か紫かって…。
こんな事、いつもは悩んだりしないのにな。
普段は組み合わせなんか考えないで適当に選んでいるのに。
これからミウと会うと思うとネクタイ一つでも悩んでしまう。
「ははは」
俺はそんな自分がおかしくて笑ってしまった。
笑っちゃうな。
ミウに会うというだけで今からこんなんじゃ会ったら一体どうなるのやら。
「まっこっちだな」
俺は青のネクタイを手にした。
清潔感がある方がいいだろう。
それに今日はできるだけ印象を良くした方がいいもんな。
俺は鏡を見ながらいつも以上に丁寧にネクタイを結んだ。
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