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ミウの家の前に着くと俺はしばらくその場に立っていた。
約束の時間より早く着いてしまったというのもあるが、緊張してチャイムを押す事ができなかった。
なんでこんなに緊張しているんだろうな。
この家は毎年命日の前日に来ているのに。
それに昔は行き来も多くて自分の家同様だったのにな。
やはりこれからミウに会うと思うと緊張するのか?
仕事柄、人に会うのが多いが緊張なんてそうはしないのに。
ったく俺らしくないな。
でもこの場にいても何も始まらない。
それに小母さんやミウだって待っているだろう。
「はぁ」
俺は大きく息を吐くとチャイムを押した。
そしてしばらくするとドアが開き、小母さんの姿が見えた。
「よく来てくれたわね」
小母さんはこの日を迎えられた事が感慨深いのか凄く嬉しそうに見えた。
そんな顔を見ていると俺の胸が熱くなってくる。
「はい」
俺は小母さんの気持ちが嬉しくて微笑みながら返事をした。
そんな俺に合わすように小母さんも微笑んだ。
「美羽も来てるわよ。ささっ中に入ってちょうだい」
小母さんはドアを大きく開けると俺に中に入るように言った。
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