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目の前にいるミウは俺の予想を超えていた。
大人になったミウはどう変わったのかと思っていたが、雰囲気は中学生のままだ。
もちろん見た目はそれなりに歳を重ねている。
けど相変わらず大人しそうな雰囲気は見た目に十分現れている。
それがいい。
想い続けていたミウがそのまま大人になっている。
…良かった。
変わらないミウが嬉しかった。
ミウは俺を見るなり言葉を無くしたようにその場に立ち尽くしていた。
どうやらに俺を見て驚いたらしい。
見とれているのか?
それとも想像と違うのか?
俺はミウが考えていることが気になっていた。
すると呆然と立ち尽くしているミウに小母さんは座るように促した。
「何、ぼーとしているの。早く座りなさいよ」
「あ…うん」
ミウは小母さんの声にハッとした顔をすると慌てて座った。
俺は椅子に座るミウをずっと見ていた。
するとミウと目が合った。
大人になったとはいえ、俺を見るその瞳は変わらない。
その瞬間、俺の中の幼き頃の記憶が蘇ってきた。
もう30歳なのに心の中は小学生に戻っていく。
それが嬉しくて。
俺はそんなミウを微笑ましく見ていた。
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