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ミウはそんな俺を不思議そうに見ていた。
きっとミウの中でも昔の俺を思い出しているのだろう。
そして今の俺と比較しているのだろう。
ミウの中で俺はどう映っているのだろう?
でも俺は変わらない。
見た目はもちろん変わったと思うが心の中は変わらない。
ミウに会うと決まってからどんな風に話せばいいのか迷っていた。
幼馴染だけど20年も会ってなかったんだし、敬語だよなとか。
でも久しぶりに会ったミウは変わらなくて。
敬語で話すのは変だと思った。
だから子供の頃と同じような言い方でミウの名前を呼んだ。
「ミウ」
「えっ?」
ミウは俺の呼ぶ声に驚くと俺の顔をマジマジと見ていた。
その驚いた反応も視線も昔と変わらない。
俺はそんなミウについ意地悪な口調で言いたくなった。
「本当変わらないな」
俺はミウがどんな反応をするのか楽しみだった。
昔のままだったら俺の言葉に言い返してきてた。
だからそうであって欲しい。
変に丁寧に切り返して欲しくない。
するとミウは一瞬にして顔を曇らせると俺に食い掛る様に言った。
「あ、あんただって、変わらないじゃん」
俺はミウの言葉に心の中で笑ってしまった。
やっぱりコイツは昔のままだ。
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