1129人が本棚に入れています
本棚に追加
「後はあなた達で話でもして、これからの事を決めてね」
ミウとの久しぶりの再会をしたかと思うと小母さんはお茶を啜りながら言った。
「えっ?」
そんな小母さんの言葉にミウは驚いた顔をした。
きっと三人で話をすると思ったのだろう。
小母さんはそんなミウに一瞬呆れた顔をしたが、にこやかに微笑むと言った。
「驚く事ないでしょう?結婚するのはあなた達なんだから。それに孝くんが車で来ているから、美羽の事を送ります言ってくれているのよ」
納得がいかないのかミウは不満そうな顔をしている。
まぁいきなり二人っきり納得いかないだろうな。
でも結婚については二人で決めるように小母さんに言われていた。
だから俺は車でどこかに行こうと思っていた。
俺は納得のいかないミウを無視するかのように立ち上がると小母さんに深々と一礼した。
「小母さんお邪魔しました」
「美羽の事よろしく頼むわね」
小母さんは一礼する俺を見ながら微笑んでいた。
その顔は俺にミウを託しますと言っているようで。
俺はそんな小母さんに気持ちを受け止めるように「はい」と頷いた。
「ちょ、ちょっと…お母さん…」
ミウは俺と小母さんのやり取りを否定するように小母さんを呼ぼうとした。
でも小母さんはミウの声なんか聞こえないと無視をしている。
「ミウ。行くぞ」
俺はミウを一瞬見るとそのまま玄関に向かって歩き出した。
ミウは困った顔で俺を見ていたが、俺は立ち止まる事をしなかった。
小母さんも俺を信用してくれている。
だったらこのまま先に進んだ方がいいと思ったからだ。
そして玄関に着く頃、後ろから渋々とついて来るミウの姿が見えた。
最初のコメントを投稿しよう!