1128人が本棚に入れています
本棚に追加
ミウは隣の家の一つ年上のお姉ちゃん。
…なんだけど、それは学年で。
全然お姉ちゃんって感じがしなかった。
まぁ誕生日も2週間しか離れていないし。
身長も俺の方が高かったし。
それにミウは大人しくて泣き虫で、一人では心細いのか何もできなくて。
俺が守ってやらなきゃって思ってた。
だから俺はミウの事をお姉ちゃんと呼んだ事がなかった。
でもきっとミウは俺が苦手だったと思う。
いや、嫌いの方が正しいのかもしれない。
だっていつも俺をビクビクしながら見てたから。
何かあると年下のくせに生意気だって言ってたから。
それでも俺はミウが大好きだった。
何て言われようと何と思われようと大好きだった。
だから年下に見られるのが嫌だった。
同等にいやそれ以上に見て欲しかった。
俺を意識して欲しかった。
まぁミウは気づいてないと思うけど。
ある種の初恋ってやつだな。
ミウは引っ越してからもずっと俺の心を捉えていて離さなかった。
だから他に好きな子もできないし、告白されても嬉しくない。
目を閉じると幼い頃のミウが笑っている。
手に届く距離にいないのにミウの事ばかり考えてしまう。
今は何をしているのだろうって。
それだけミウは俺の心に住みついていた。
最初のコメントを投稿しよう!