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「ああ。うち冷蔵庫壊れたから」
ミウは特に気にしていないのかあっけらかんしていた。
「はぁ?」
「生温いビールしかなかったんだよ」
冷蔵庫が壊れた?
生ぬるいビールしかなかった。
ああ。なるほど。それで俺の家に来たのか。
俺の家なら冷たいビールがあると思ったんだ。
そっか。そうか。
「ふーん」
「やっぱりビールは冷たい方が美味しい」
ミウはそう言うと一気にビールを飲み干した。
そしてミウが飲み終わると次の缶ビールを差し出す。
「ありがとう」
ミウはニコッとすると蓋を開けまたビールを口に注ぎ込んだ。
その飲みっぷりは豪快で、そんなミウを見ながらコイツ酒好きなんだとぼんやりと思っていた。
だから俺はミウの飲んでいる姿を見ているだけで十分だった。
「お前よく飲むな」
俺が言うとミウは「フフッ」と笑った。
その時のミウは焦点が合ってなく、呂律も回っていない。かなり酔っぱらっているのがよくわかった。
普通だったら酔っぱらいの相手なんて御免だと突っ撥ねていたけど、ここにいるミウは凄く楽しそうで、絡んでくる気配もない。
だからまぁ悪くないなと思っていた。
するとミウは缶ビールを見ながら言った。
「ビールは癒しだもん」
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