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「…名言だな」
ビールは癒しか。コイツ上手いな。
俺はミウの言葉に感心すると呟くように言っていた。
「でしょ」
ミウはそんな俺の顔を見ながら満更でもない得意気な顔をした。
そしてクスクス楽しそうにビールを飲み始める。
俺はそんなミウを見ながら気がつくと微笑んでいた。
それにしてもコイツは酒が入ると面白くなるな。
この前会った時はずっと眉間にしわを寄せてムスッとしていたのに、今はこんなに楽しそうにカラカラと笑っている。
俺の事、気にしてないのか?一応男なんですけど。
わかっているのか?おまえは男の家に一人で来ているんだぞ。
ったく少しは気にしろよ。いつでも襲う事だってできるんだぞ。
…ってそれはなさそうだな。
コイツ全然気にしてなさそうだし、やっぱり俺の事を男として見てない。
俺達は幼馴染なんだな。
…まっ。しょうがないか。
「そーだな。じゃあ俺も飲むか」
そう言うと俺はグイッとビールを飲んだ。
この調子だと朝までか?
ミウは俺がビールを飲み干すとパチパチと嬉しそうに手を叩いた。
そしてテーブルに置いてあるビールを差し出してきた。
「はいっ。コウもいっぱい飲も」
その顔は恰もここが自分の家で俺が客人のように接している。
ここ俺の家なんだけど…まっいいか。
俺は「んっ」と言うとミウからビールを受け取った。
ミウのこの感じからすると…こりゃあやっぱり朝までだな。
…明日が休みでよかった。
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