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あと少し数センチ、もう少しで唇に触れる。
ミウにキスでき…。
ガクンッ!
「え…?」
唇に触れる直前にミウの頭がガクンと下がった。
「ミウ?」
俺は何が起こったのかわからず慌ててミウを見る。
ミウは俺の肩に顔を埋めていた。
…何が起きたんだ?
「お…おい」
「スースー」
俺はミウの肩に触れようとすると寝息のような音が聞こえてきた
寝息のような音ではなくて寝息だ。
「何だよ。寝ちゃったのか」
ミウが寝た事がわかると一気にドキドキも冷めてきた。
もうこうなるとキスをしたい気持ちも薄れてくる。
寝ている時にやるなんてフェアじゃないもんな。
俺は「はぁ」と溜息をつくとミウを抱きかかえて自分の部屋へと運んで行った。
その夜、俺はリビングのソファで寝た。
自分の部屋のベッドで一緒に寝るのはマズイと思ったからだ。
いくらミウが抱きついてきたとはいえ、朝起きた時に隣で俺が寝ていたら驚くだろう。
アイツの事だ、悲鳴を上げるかもしれない。
折角いい感じになってきたのにそれはマズイ。
考えてみるとソファで寝るなんてそう滅多にないな。
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