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「そうだな」
俺は並べられた空き缶を見ながら微笑んだ。
このかなりの量をミウと飲んだと思うと微笑ましく感じる。
頭はぼんやりしているけど、ミウがここにいるのが嬉しい。
「昨日はごめんね。色々付き合わせちゃって。片付けたら帰るね」
そう言うとミウはまたキッチンの片づけを始めた。
もうほとんど片づけは終わっていて、あとそれほど時間がかからないだろう。
ミウは片づけが終わったら帰ると言っていた。
きっと突然家に来たこと、そして泊まった事を申し訳なく思っているのだろう。
だから片づけが終わったら帰るつもりなんだな。
帰るのかぁ…。
「なあ、ミウ」
俺はミウが帰ると思うと無性に寂しくなり思わず声をかけた。
ミウは振り返ると俺を不思議そうに見る。
「ん?」
俺はミウと目が合うとそのまま立ち上がりキッチンへと向かった。
もちろん視線の先にはミウがいる。
ミウはずっと俺が見ているのを不思議そうな顔をしながら見ていた。
俺はそんなミウに何も言わずに近づいて行く。
そして隣に並ぶと、ようやく声をかけた。
「コーヒーでも飲んでいけよ」
俺はそう言うと電気ポットに水を入れ、カチッとスイッチを入れた。
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