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「あっ…ベッド借りちゃってゴメン。占領しちゃったよね?」
ミウは思い出したように慌てて言うと手を合わせながら「ゴメン」と言った。
その瞬間、昨夜の事が思い出されてくる。
突然ミウが抱きついてきた事。
ミウの体の感触、吐息…そして。
キスしようとしていた俺。
ところでコイツ昨夜の事どこまで覚えているのかなぁ?
でも「覚えているか?」って聞けないよなぁ。
聞く事できっとこの穏やかな空気が消えちゃいそうだから。
だから俺は核心には触れないように話した。
「お前、飲んでいる途中で急に眠くなったって徘徊し出したんだぞ」
「は?」
「で、俺の部屋に入った途端に『ベッドだぁー』って飛び込んでたぞ」
そう。確かに間違ってはいない。
昨夜ミウは突然、眠いと言って急に歩き出した。
だから俺はそんなミウを寝室に連れて行った。
そしてコイツは部屋に入るなりベッドにダイブした。
途中は抜けたけど大方間違ってはいない。
ミウは俺の言葉に眉間にしわを寄せると「マジで?」と聞いた。
その顔は「違うよね?そんな事ないよね?何かの間違いだよね?」って否定を求めているように見える。
残念だな。否定はしないよ。
だって本当なんだから。
だから俺は正直に「マジで」と言った。
俺の言葉を聞いた途端ミウの顔がヤバいと言わんばかりにみるみると消沈していった。
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