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ミウが用意したのはパスタとサラダ。
それにしても正直言って冷蔵庫の食材で料理をするミウに感心した。
有り合わせの食材で料理をするのは難しいと何のテレビ番組で言っていたからだ。
「お前結構料理するんだな」
「簡単なものならね。ささっ、食べよ、お腹空いたでしょ?あ…ビールも出さなきゃ」
ミウはそう言うと冷蔵庫から缶ビールを取り出そうとする。
コイツ、家事も別と言いながら気を使ってくれるんだな。
てっきり俺との食事は嫌なのかと思っていたのに。
ミウって結構優しい所もあるんだな。
俺はミウの優しさに顔が微笑みそうになると収納棚にあるものを思い出した。
「ミウ、ちょっと待って」
「えっ?飲まないの?」
ミウは突然俺が止めた事に驚いた顔をしている。
その顔は「ビール飲まないの?」って言っているようで。
「いいから」
俺はそんなミウを他所に冷蔵庫をしめると収納棚からグラスとボトルを手にするとテーブルに向かう。
そしてテーブルに置いた瞬間、ミウの顔がパァっと明るくなった。
…コイツ、ビールだけじゃない。酒が好きなんだ。
こんなに嬉しそうな顔をしやがって。
でも悪くはない。一緒に飲めると思うと嬉しく感じる。
だからボトルを見せながら言った。
「パスタと言えばこれだろ?」
ミウとの食事はやはり楽しくて、こうして一緒にいるとつい昨日まで一人で暮らしていた事が遠い昔のように感じる。
俺、一人暮らしだったんだよな。
やはりミウがいるだけでこんなに部屋が明るくなるなんて、…結婚っていいものかもしれないな。
俺は楽しそうに話すミウを見ているだけで幸せな気分だった。
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