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「へ?何?」
ミウは意味がわからないのか不思議そうに俺を見ている。
…わからないか。まっコイツらしいな。
だから俺はミウが理解できるように話し出した。
「結婚記念日だろ?」
「うん」
「結婚記念日と言えば?」
「言えば?」
ミウはそれでもまだわからないらしく表情が変わらない。
結婚記念日だろ?
ここまで言ってもわかんないのか?
いや…わかんないんだろうな。
だってミウの瞳は丸く大きく見開いていて、唇は濡れていて。
まるで草原にいる純真無垢な子羊だ。
ああ、食べちゃいたい。
この時の俺はミウの気持ちなんか関係なく、完全にオオカミになっていた。
その唇に貪りつきたい。その身体にキスしたい。
ミウの全てを俺のものにしたい。
…教えてやるよ。
「初夜」
俺は囁くように、でもはっきりとわかるようにゆっくりと言った。
そして口角を上げニヤリとするとミウに近づいて行った。
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