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「しょっ、しょっ、しょっ、初夜!?」
ミウはようやく意味がわかったのか顔を真っ赤にすると慌てながら言った。
そしてジリジリと横に動き俺から体を離そうする。
きっと隙があれば走って逃げようと思っているのだろう。
その顔はさっきまでのリラックスした表情とは違い、話が違うでしょと言わんばかりに困惑しているのがよくわかる。
けど…その表情は逆に俺の心を萌えさせる。
おいおい…今更気づくなんて遅いんだよ。
もう俺、スイッチ入っちゃているしさ。
おまえはオオカミに食べられる子羊なんだよ。
逃がさねーよ。
俺は離れようとするミウの真横にピッタリとついて逃げさせなかった。
ミウは必死に逃げようとするが、端まで行くと逃げ場がない事に気がつくと更に困った顔をした。
そして動きが止まる。
…ここまでだな。
俺はそんなミウを見ながら微笑むと覆い被さった。
身体こそ密着していないが、腕の中にミウがいる。
顔を下せばキスができる距離にいる。
「今日しかないからな」
俺は近い距離のままミウを見つめながら言った。
ミウは両腕で逃げ場を無くされて動く事ができないのか、拒絶する事無く俺を見ていた。
…諦めたな。
でもどうやらミウはまだ諦めてないみたいだ。
俺をキッと睨むと声を振り絞りながら言った。
「でもっ!」
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