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「でもミウはまだまだ子供だな」
俺はククッと笑いを堪えながら言った。
ミウはそんな俺を見ながら眉間にしわを寄せ怪訝そうな顔をする。
「こ、子供?」
「こんなんで泣きそうな顔すんなよ」
「は?そんな顔してない!」
「あっそ。まっいいけど」
「いいけどって!」
ミウは俺の言い方が気に入らなかったのかイラッとしながら言い返した。
でもそんなの俺には効かない。
おまえの次の行動なんてお見通しなんだよ。
だから全然平気な顔をしていられる。
「ああ、俺さ明日から1週間出張で名古屋だから。それに朝早いからもう寝るわ」
俺はそう言うと立ちあがり、手をひらひらさせながら自分の部屋に戻って行った。
自分の部屋に戻ると俺はベッドにゴロンと横になった。
そして焦点の合わない目で天井をぼんやりと見ていると、さっきの事が頭に蘇ってくる。
…ミウ。
やっぱりおまえは俺の事を何とも思ってないんだな。
それでもいいのか?このまま結婚生活できるのか?
俺はおまえの事を結婚という鎖で縛ってしまう。
でもそれは形式なだけで、心まで縛る事は当然出来ない。
だから自由にミウの好きなようにしてもらいたい。
だけど、俺は欲しい。
心も身体も全部。
ミウの全てが欲しい。
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