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そして準備が始まると男性は道具を、女性は食材の準備と別れて各々の作業を始めた。
俺は華ちゃんの彼氏と一緒に道具の準備をするために、男性陣の中に入って行く。
テーブル、椅子の組み立て。バーベキューコンロの準備。
どちらでもいいと言われたが、正直俺はバーベキューとかアウトドアには滅多に行かないから要領がわからない。
それに会社の人たちが皆、バーベキューコンロの準備をし始めると必然とテーブル、椅子の組み立ての人が少なくて必要になる。
だから俺と華ちゃんの彼氏でテーブルの組み立てをする事にした。
そこには何故かミウの元カレもいて俺を見るなり困った顔をした。
きっとあの時の事を後悔しているのだろう。
あの時の事でバーベキューコンロの準備に入る事もできなかったのだろう。
…なんか可哀想だな。
ミウはどう思っているかわからないが、俺の中ではどうでもよくなっていた。
あの時の事がきっかけでミウとの距離が少し縮まったし。
ミウは元カレの事を何とも思ってないとわかったし。
だから一緒に作業する事も嫌ではなかった。
テーブルの組み立てをしながらチラッとミウを見ると、華ちゃんと何やら話しながら野菜を洗っていた。
ミウが野菜の準備をしてその隣で華ちゃんが話している。
会社でもこんな感じなんだろうな。
普段は見れないミウが見れたかと思うと何だか嬉しかった。
すると男しかないはず場所に女性の声がした。
「大丈夫ですか?お手伝いしますね」
その声に聞き覚えはない。
俺は誰だ?と思い、顔を上げると当然だが知らない顔があった。
たぶん年齢はミウより少し年下、オシャレに気を使っていますと言わんばかりの男受けするメイクに髪型。
綺麗に整えられた爪はグラデーションされたフレンチネイルに淡いピンクのラインストーンがきらきら光っている。
社内に一人はいるモテる女子といったところだ。
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