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…ミウの会社の人だと思うけど、誰だっけ?
さっき挨拶したと思うけど、覚えてない。
俺は必死に思い出そうとするが全く出てこない。
だからといって知らない顔をするわけにもいかないから適当に話をする事にした。
でも俺の頭の中では??がいっぱい浮かんでいた。
なんでここにいるんだ?女性は野菜の準備だろ?
俺が不思議に思っていると華ちゃんの彼氏がにこやかに返事をした。
「大丈夫ですよ」
それはここの手伝いは十分だからいらないとやんわりと断っているのに、その女には伝わってないみたいだ。
俺が支えていたテーブルに手を添えると甘ったるい声で言った。
「テーブルの組み立てって大変ですよね。人手がいくらあっても足りないわ」
その女が添えた場所は俺の手のすぐそばで微妙に触れている。
しかも妙に笑顔で気持ち悪く感じる。
でも好意なんだし、ミウの会社の人だから嫌な顔はできない。
もしそんな事をしたら後でミウに何て言われるか。
そう思うと我慢しないといけないと思った。
それに二人で持ち上げると華ちゃんの彼氏も組み立てしやすいだろう、軽々と作業が終わっていく。
何とかテーブルの組み立てが終わる頃バーベキューコンロの準備も終わったらしく「食材もらってきます。誰か手伝ってください」と声が聞こえてきた。
俺はどうしようか迷っていると、華ちゃんの彼氏は手を挙げた。
「じゃあ僕も行きます」
そう言うと華ちゃん彼氏は俺に会釈をし、この場から離れて行った。
華ちゃんの彼氏がいなくなると、この場には俺とその女が残った。
でも二人でいてもしょうがない。
ミウの所に行くか。
すると俺の動きを遮る様に、その女は声をかけてきた。
「小林さんですよね?」
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