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バーベキューコンロの準備、食材の下ごしらえが終わると早速肉や野菜を焼き始めた。
肉や野菜の香ばしい匂いが食欲をそそう。
俺は皿を手にするとコンロの前に移動した。
当然だが、俺だけではなく皆がコンロの前に陣取って焼き上がるのを待っている。
そして焼き上がるとアリのように群がり一気に無くなってしまう。
俺も精一杯箸を伸ばして肉や野菜を皿に入れていく。
自分の会社じゃないのに積極的だなと面白く感じるが、ミウはまださっきの男と話していて何もする事がない。
それに腹も減っているから、とりあえず食べるようと思っていた。
すると話がやっと終わったのかミウが戻ってきた。
その顔は真っ赤で照れているように見える。
…何赤くなっているんだよ。思いっきり褒められたか?
それともアイツに告白でもされたのか?
俺はミウとアイツがどんな話をしていたのか気になってしょうがなかった。
ミウは俺が肉や野菜の入った皿を持っている事に気づくと自分も取りに行こうとする。
でも第一陣の分はもう無くなっていて、第二陣を焼き始めたところだ。
まぁ沢山取った事だし、一緒に食べればいい。
「んっ」
俺は肉や野菜が入った皿をミウに差し出した。
ミウは少し驚いた顔をしたが、受け取ると素直に「ありがとう」とお礼を言った。
そして割り箸をパチンと割って、食べようとする。
「お前なんか顔赤くない?」
「えっ?そ、そんなことないよ」
ミウは俺の言葉に咄嗟に顔を背けると顔を隠すようにお肉を食べ始める。
今、顔隠したよな。
やっぱり何があったんだ。何話していたんだよ。
俺は内心イライラしていたが、そんな心内をミウに気づかれたくない。
だから興味がなさそうに平静を装うように言った。
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