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もしかしたらミウは俺が質問を理解してないと思っているのかもしれない。
だって好きなタイプと聞かれて「バカみたいなやつ」とは普通言わないもんな。
きっとそうだ。だからそんな顔をしているんだ。
…まぁいいや。
「そっ」
俺は補足説明する事なくあっさりと返事をした。
するとミウは拍子抜けした顔をした。
「なんか…コウって変わっている。そう言う人が好きなんだ」
その顔は意外だと言いたいのがよくわかる。
それでもいい。俺はバカみたいなやつ、ミウが好きなんだから。
でもミウ、お前は?
「で、おまえは?」
「ん?」
ミウは返事と同時に俺を見た。
でも俺はミウの顔を見る事が出来ない。
聞いたのは俺なのに…。
今、一番知りたい事なのに怖がっている自分がいる。
だから前を向いたまま言った。
「どんな奴がタイプなんだよ」
「タイプ?」
「そっ」
するとミウは少し考えた後にチラッと俺の顔を見ると言った。
「私?そうだなぁ…性格は明るくて優しい人で、顔は好きになった人がタイプかな」
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