君の瞳に映るもの

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「もう!何よ」 ミウは俺の言葉にイラッとしたのか唇を尖らせながら言った。 俺はミウの反応が可笑しくて微笑んでしまう。 …コイツ本当に面白いな。 想像した通りの反応をする。 唇を尖らす顔は子供のようだけど、それ以上に似合っているんだよ。 「でも似合っている」 「えっ?」 「浴衣。凄く似合っているよ」 俺はミウの全身を見ながら言った。 ミウは褒められたのが意外だったのか顔を隠すように下を向いてしまった。 そして照れながら小さな声で言った。 「あ…ありがとう」 そんなミウを見ていると俺までが照れてしまう。 ミウの気持ちが早坂ではなくて俺にあるとわかったから余計だ。 でもそれは態度で実際に言葉を聞いていない。 だからってストレートに聞く事は恥ずかしくてできない。 だから遠回りした言い方をした。 「何照れてんだよ。もしかして惚れた?」 「えっ?」 「浴衣褒めたのすごく嬉しかっただろ?」 ミウは俺の言葉に困った顔をした。 そして「う…」と唸ると頭を横に振りながら負けじと言った。 「そんな事…ない」
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