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俺は露わになっている肌全てに唇を落とした。
首筋、鎖骨へと…。
もう触れてない所がない位に。
「ああ…」
ミウは必死に俺にしがみついていた。
それは「離さないで」と訴えているようにもみえる。
だから俺はそれに応えるようにミウを強く抱きしめる。
そしてまた唇を重ねると俺は、浴衣の襟元へゆっくりと指を入れた。
と同時に携帯の着信音らしき音が聞こえた。
…なんだ?携帯?
でも俺のじゃない。
ミウのか?
俺はその音にビクッとするとパッと体を離した。
そしてミウを見るとバツの悪そうな顔をしている。
「携帯?」
「…うん。私の携帯。電話が鳴ってる」
ミウはキッチンのテーブルに置いてある携帯を指差しながら言った。
携帯は着信音と共に点滅していて、まるで早く来いとミウを呼んでいるように見える。
でもミウはその場から動こうとしない。
たぶん俺に気を使っているのだろう。
せっかくいい感じだったからな。
まぁでもこれはミウのせいじゃないし、しょうがない。
それにもしかしたら小母さんからかもしれない。
「出れば?」
「あ…うん。ごめん」
ミウは申し訳なさそうに言うとキッチンへと向かった。
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