君の瞳に映るもの

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「花火大会?」 雑誌を読んでいた俺はミウの言葉に顔を上げた。 ミウは俺と目が合うと嬉しそうな顔をした。 「そっ。華ちゃんと約束していたんだ。今日は女同士で観るってね」 「ふーん」 俺はそう言うとまた雑誌に視線を移しパラパラとページを捲り出した。 そろそろ季節は秋になるというのに、何故か花火大会をやるとニュースで知った。 確か女性誌雑誌主催の花火大会で音楽とのコラボをするらしい。 それに華ちゃんと行くと言うのだ。 きっとミウの事だ。花火観た後に飲みに行くから帰りが遅くなるとか言いたいのだろう。 そんなのわかっているし、別にかまわない。 ただそこで早坂の名前が出てこなかった事。 俺は雑誌を見ながらホッとしていた。 ミウは早坂が好きだと知ってから数日。 関係が変わってしまうかと心配していたが、何も変わる事はなかった。 ミウは相変わらず毎日家事をこなして、二人分の食事を用意してくれる。 家にいる時はリビングで一緒に過ごしてくれる。 いつもの笑顔で俺に微笑んでくれる。 何一つ変わらない毎日。 でも俺は…どうしても気になってしょうがなかった。 ミウは早坂が好きなのに…このままでいいのか? 結婚して籍を入れている以上、言い出しにくいのもわかる。 簡単に離婚できないのもわかる。 でも…。 俺と一緒にいていいのか?
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