君の瞳に映るもの

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ミウは携帯電話を手に取ると「はぁ」と溜息をついた。 「もしもし…何?…いいよ。別に気にしてないから…大丈夫よ。それより彼氏と行けて良かったじゃない」 ミウの声はやや不機嫌そうなで、この電話の会話から相手が想像できる。 …華ちゃんだ。 きっと華ちゃんはドタキャンした事を謝っているのだろう。 まぁ謝りたい気持ちはわかるけど、このタイミングはないよな。 ミウだって不機嫌になるはずだ。 でも華ちゃんは悪くないんだし。 って。タイミングかぁ…。 その時、俺の脳裏にある物が浮かんだ。 …そうだ。ミウに渡そう。 俺はそう思うと立ち上がりリビングをあとにした。 部屋に戻ると俺はデスクの引き出しを開けた。 このデスクには仕事関連の資料しか入っていない。 考えてみると俺って仕事が趣味みたいなものがあるからな。 その仕事関係の資料しか入っていない引き出しの中に一つだけ不自然な紙袋がある。 俺はそれを手にすると紙袋から綺麗に包装された箱を取り出した。 そして包装紙をビリビリに破き、箱を開けるとネックレスがキラッと輝いた。 これはミウにプレゼントしようと思って買ったネックレスだ。 「あの時渡せなかったもんな」 俺はそう呟くとネックレスをクルクルと揺らした。 ネックレスは光の加減でキラキラと輝く。 「アイツどんな顔をするかな」 俺はミウがどんな反応をするか想像した。 きっとすごく驚きながら「なんで?」って言うだろうな。 でも顔は嬉しそうで照れそうで。 そんなミウを思うと早く渡したくなり「ふふっ」と笑ってしまう。 俺はネックレスを手に隠すように持つとミウがいるリビングへ戻った。
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