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「小学生の時に思いっきり顔をぶつけたの覚えてる?」
「顔?小学生?うーん…何年生の時?覚えてないよ」
「俺が2年生だったからミウは3年生」
「うーん…わかんない」
コウは簡単に3年生の時だっていうけど、その頃の記憶なんて覚えてない。
あの頃はよく走り回っていてよく転んだりした。
だから大けがならまだしもそんなの一々覚えていない。
するとコウは私の考えがわかるのか呆れた顔をすると意地悪そうに言った。
「まぁおまえは転んだりぶつかったりが多かったからな。覚えてないか」
「う…嫌な言い方。もっと詳しく言ってよ」
「お前にしては珍しくベッドでやたらと飛び跳ねていたんだよ」
コウが言う単語がパズルの1つ1つのピースになって解き明かそうとする。
珍しくベッドで飛び跳ねていた。
転んだ。
顔を思いっきりぶつけた。
コウと私の家で遊んだ時…。
あ…なんか覚えている。
記憶がどんどん蘇っていく。
あれは私が小学生の時の事でコウが家に遊びに来てたんだ。
いつもそうだが、コウは私の部屋に来ると必ず本を読んでいた。
私も漫画を読んだりしていたがその時は何故かベッドでピョンピョン飛び跳ねて遊んでいた。
そうそう!覚えている!
私はその時の事を思い出すと手をパチンと叩いた。
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