君の瞳に映るもの

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ミウは華ちゃんとの電話が終わると「はぁ」と溜息をついた。 そしてソファーに倒れるように座ると言った。 「…ビール飲もっかなぁ」 ミウはがっかりした顔をしていて電話の内容が想像つく。 きっとキャンセルだな。 俺に意地悪な事を言ったから罰があたったんだ。 そう思うと顔がニヤニヤしてしまう。 「華ちゃん行けないって?」 「彼氏が行けるようになったから一緒に行くって」 「ふーん」 「楽しみにしてたのになぁ………あっ!」 ミウは口を尖らせながら言うと、何か思いついた顔をした。 そして俺をじっと見つめている。 「ん?」 「コウ暇だよね?」 「あ?」 俺はミウが何を言いたいのかわからなくて、間の抜けた返事をしてしまった。 でもミウにはそんな俺の返事はどうでもいいみたいだ。 「花火行こう。今着替えてくるから待ってて」 ミウはそう言うと俺の返事も聞かずに部屋に戻って行った。
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