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「ん?」
ミウは俺の呼ぶ声に振り向いた。
手を繋いで並んでいるせいか、息がかかりそうな位に近い距離にミウの顔がある。
「あ…」
ミウもあまりにも近くに俺の顔があるから驚いたようだ。
でもミウは俺から離れる事はなかった。
恐らく手を握っているから、動けなかったのだろう。
ただ、ポカンと口を開けたまま俺を見ていた。
俺はそんなミウを真っ直ぐ見つめた。
離さないと言わんばかりに手を強く握りながら。
見つめ合っているとどこか嬉しくて顔が微笑んでしまう。
ミウが早坂を好きなのは知っている。
でもこうして俺の前にいるミウは可愛くて。
俺だけを見つめるミウが愛おしくて。
気持ちが溢れていく。
俺はミウが好きだ。
早坂に渡したくない。
俺だけのものにしたい。
そんな気持ちが高まってもう心を制御する事が出来ない。
俺はゆっくりと顔を近づけた。
ミウは俺が顔を近づけても離れる気配がない。
もしかしたら俺越しに見える花火を見ているのかもしれない。
それでもいい。
俺はそっと目を瞑るとミウの唇にキスをした。
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