1078人が本棚に入れています
本棚に追加
ミウは俺にキスされていると気づくと目を見開いてその場に立ち尽くしていた。
身動きが取れなくなったと言う方が正しいかもしれない。
…この反応。きっとミウは驚いているんだろうな。
な、なんで!?…って。
驚いて動けないのだろう。
でも俺は唇を離す事をしなかった。
俺の思いをぶつけたかった。
ミウの唇は柔らかくて。
温かくて。
ただ触れているだけなのに…気持ちいい。
俺はゆっくり唇を離すと何も言わずにミウを抱きしめた。
自分の気持ちをぶつけると思いながらもミウがどう思っているか不安だった。
だってミウは早坂が好きだから。
だから怒っているかもしれない。
気持ち悪いって思っているかもしれない。
…ミウ。嫌だったら突き放して。
「なにすんのよ!」って俺から逃げて。
でもミウは俺の腕の中から逃げ出す事はなかった。
嫌がるどころか俺の胸に顔を強く押しあてている。
…嫌じゃないのか?
早坂なんだろ?俺の事、好きじゃないんだろ?
それでもミウは動こうとしない。
まるで俺に自分の体を委ねているようにもみえる。
俺が好きなじゃないかと錯覚してしまう。
…錯覚?
その瞬間、俺は思った。
…もしかして勘違いしてた?
最初のコメントを投稿しよう!