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「そっか」
「普通言わないでしょ?大きなお世話だよ」
ミウはそう言うと「あはは」と笑った。
全くミウの言う通りだ。大きなお世話だ。
きっと田中の事だ。ワザと言ったに違いない。
俺の反応を見る為に。
ったく。次に会社に行ったら他の奴より多めに作業を振り分けてやる。
するとミウは俺を覗き込みながら言った。
「コウはなんて答えたの?」
ミウの顔は興味津々と言った感じで、コイツも俺の反応が知りたいと思うと呆れてしまう。
だから俺は興味なさそうにあっさりと答えた。
「うるさいって言った。アイツには答えるだけ時間の無駄」
ミウは答えを聞くと「ふーん」と言い、ソファから立ち上がった。
そして俺の目の前に立つ。
俺は意味がわからなくて思わず「ん?」と言ってしまった。
するとミウは顔を近づけるとニッコリと微笑んだ。
「コウはいつも余裕だもんね。でもそんなコウがヤキモチ焼くなんてね」
その言い方には棘がありイラッとする。
ヤキモチって…。
「なんだよ」
「ふふっ。嬉しかったの」
ミウはそう言うと自分から顔を近づけて俺の唇にキスをした。
俺は突然のキスに体が固まった。
いつも俺からしかしないのに…ミウがキスしてきた。
ミウは固まった俺を溶かすように何度も何度もキスを繰り返した。
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