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ミウのキスが俺に教えてくれる。
私が好きなのはコウだよって。
唇、吐息が俺を抱きしめる腕の強さが気持ちを教えてくれる。
ああ…わかったよ。
俺の身体中にミウの気持ちが染み渡っていくよ。
ミウはゆっくりと唇を離すと俺を真っすぐに見ながら言った。
「ねえ。コウ」
「ん?」
「高科さんが私を支えてくれた時の事なんだけど。あの時プレゼンの話してたでしょ?」
俺はミウが何を言おうとしているのかわからなかった。
確かあの時は…何の話をしていたっけ?
あの事でいっぱいだったから記憶にない。
するとミウは俺を見ながら「はぁ」と大きく一呼吸した。
「勝ったの理沙さんだったんだね」
理沙さん。
あ…思い出した。
あの時、確かこの前のプレゼンの話をしていたんだ。
そう。勝ったのは理沙だ。
でもどうしてミウの口から理沙の名前が?
「ああ…うん」
俺はミウの口から理沙の名前が出た事に驚いた。
驚いたけど、その事で大体の予想ができた。
…そっか。ミウはそれを聞いていたんだ。
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