1085人が本棚に入れています
本棚に追加
「なぁミウ」
俺はミウの頭を撫でながら名前を呼んだ。
ミウはその呼ぶ声に「ん?」顔を上げ俺を見た。
その顔は子供のようで俺は頭から撫でるのを止めるとミウを抱き上げ、隣に座らせた。
「え…何?」
ミウは一瞬何が起きたのか目を丸くして俺を見ている。
そんなミウが可愛くて、でもどうしても言いたい事があって。
俺は宙を見ながら話し出した。
「この前のプレゼンはもう気にしてねえよ」
「…」
ミウはどうすればいいのかわからないらしく、ただ俺を見ている。
だから俺はそのまま話を続けた。
「確かにあいつに負けたのは悔しかった。特に今回のプレゼンはチャンスだったからどうしても勝ちたかった」
「…」
「でもこれで終わりだとは思ってないし、またチャンスは巡ってくる」
「…うん」
「ミウ、ありがとうな。おまえがいれば頑張れる」
そう。プレゼンで負けた時、ミウは黙って俺の側にいてくれた。
負けた事を責める事なく。残念がる事なく。
ただお疲れ様って。
でも俺にはそれが良かった。
ミウがこうして側にいてくれる。
それだけでまた頑張ろうって気持ちになれた。
最初のコメントを投稿しよう!