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「今日からお前さんはその姿で生きて行くんじゃ。まぁ、いきなりその姿になって混乱するのも解るがな」
「今日からって……いきなり僕がこんな姿になったらお父さんもお母さんもビックリするでしょ!? 息子だって解ってくれないかもしれないじゃん!」
慌てて詰め寄る僕に構わずに、サンタおじいちゃんは葉巻を吸ってはゆっくりと煙を吐き出していた。
「じゃから準備に時間がかかると言ったじゃろが。お前さんがこの姿になった瞬間から、お前さんの周りの人間の記憶を書き換えるように細工したからのぅ」
「細工って……」
「周りの人間はお前さんがいきなりこの姿になったんじゃなく、昔からこの姿じゃったと思い込んでいる筈じゃ」
そんな都合の良い話があるだろうか?
でもサンタおじいちゃんが嘘を吐いているとは考えにくい。
だって、実際に僕の姿が魔法のように変わってしまっているのだから。
「今日から新しい学校に行くんじゃろ? どうせなら友達100人作って、恋人も50人くらい作って青春を謳歌してくるといいわ」
「いや、それは無理です」
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