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「ワシのプレゼントはここまで。ここからはお前さんの頑張り次第じゃ」
「頑張り次第って……早くトナカイにしてください」
「その判断は次のクリスマスにすると言ったじゃろ? まぁ、まずはその姿で学校に行ってみぃ。 色々サービスもしておいたから、面白い事が起こるかもしれんぞ」
葉巻を吹かしながらサンタおじいちゃんが再びニヤニヤ笑う。
いや、サービスとかどうでもいいから僕をトナカイにしてくれませんか?
……何て今言ってもきっとサンタおじいちゃんは聞いてはくれないんだろうな。
「さて、そろそろワシも行かねばならん。いつまでもお前さんに構ってられる程ワシも暇じゃないからな」
「え? 帰っちゃうの!?」
慌てて引き止めようとするが、サンタおじいちゃんの身体は既に光り始めていた。
またあの時のようにそのまま消えてしまうつもりなんだろう。
「待って、おじいちゃん!」
「急がんとスザンナちゃんとのお茶の約束に間に合わ……」
言葉の途中でおじいちゃんの身体を包む光が強くなり、あっという間におじいちゃんは消えてしまった。
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