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僕を抱き起こせるなんて、この人どんだけ力持ちなんだ……。
そもそも僕なんかに手を差し伸べてくれるなんて、親切な人も居たもんだ。
どんな人なのか見てやろうと顔を上げると、そこには整った顔立ちの所謂イケメンに分類されるような人がすぐ目の前に居て。
「……」
僕の顔を見つめたまま動きを止めていた。
イケメンにとって僕の顔はそんなに面白いですか。
所詮イケメンにブサメンの僕の気持ちは解るまい。
「ごめんなさい……」
とりあえず謝って逃げようかと思ったが、そのイケメン君は僕の腕をガッチリ掴んだまま動かない。
「あ……あの……」
「……」
「手……痛いです」
そこまで言われてイケメン君はやっと僕の腕を掴んだままだったのに気付いたらしい。慌てたように「悪い!」と言ってすぐに僕を解放してくれた。
「どっか痛い所無いか?」
「いえ……大丈夫です」
ぶつけた膝がまだジンジン痛むが、これくらいなら大した事はない。
「そっか、良かった」
安心したのか、イケメン君がニッコリと微笑む。
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