クリスマスの奇跡

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中学3年、高校受験を控えたこの年のクリスマスイブ。 夕食を終えて部屋に戻った僕はベッドの上に布団を頭から被って蹲っていた。 「もうイヤだ……学校行きたくない……」 僕の名前は細田佳人。 身長160センチ、体重100キロオーバー。 学校に行けば真っ先にクラスメイトの男子に囲まれ、乳を揉まれて腹肉を掴んで揺らされる。 女子には「キモイ」「暑苦しい」「豚野郎」と罵られ、虫けらでも見るかのように蔑んだ視線を向けられる。 もう人間(特に女子)コワイ。 そうだ、僕なんて豚野郎だ。 ダイエットも続かないダメ人間は、最早人間を辞めて本当に豚になった方がいいのかもしれない。 いや、この体型で豚になったら『美味しそうだ』と真っ先に食肉加工されてしまうかも……。 食べるのは好きだけど食べられるのはイヤだな。 豚は止めてパンダにしよう。 それなら座ったり寝ているだけで『可愛い』と言われそうだ。 .
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