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……アレ?
チャイム鳴ったのに前の席の人来ないのかな?
そんな事を考えている内に教室には新しく担任になるという四十代くらいの優しそうな男の先生が来て、前の席が空いたままHRが始まってしまった。
講堂での入学式が終わり再び教室に戻ると、僕の前の席に座っている人影がみえて。
「……あ」
その人影がさっき僕を助け起こしてくれたイケメン君だと認識した途端、その場で足が止まった。
僕の前の席ってあの人だったんだ……。
何となく気まずかったが、自分の席に着かない訳にはいかない。
そ~っと近付き席に座ろうとすると、いきなりそのイケメン君が僕の方を振り返る。
「あ」
そして僕の顔を見て再び固まってしまった。
「さっきの……同じクラスだったんだな」
「はい……そうみたいデスネ」
イケメンと目を合わせるなんて心臓に悪い。
思わず目を泳がせてしまった僕に構わず、イケメン君がさらに話し掛けてくる。
「席、近いんだな。名前聞いてもいいか?」
「……細田……佳人です」
「細田か。俺は広瀬匠、よろしく」
「はい……」
イケメン君は性格までイケメンなんでしょうね。
こんな僕にも優しく話し掛けてくれるなんて。
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