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いや、イケメンだという自信と余裕があるから他人にまで優しく出来るのかもしれない。
僕には何も無いよ……。
自分のダメさ加減に落ち込んでしまう。
もう早く学校終わって家帰ってゲームしたい、そんな事を考えていると。
「あ、可愛い子発見!」
さっきまで離れた場所で固まって騒いでいた集団の中から、明るい茶色の髪をピンで留めた一人の男子が飛び出して来た。
……可愛い子?
確かに周りを見渡すとイケメン君だけじゃなく、背が小さめで可愛らしい雰囲気の人も何人か居る。
男子相手でも“可愛い子”発言しちゃう人が居る事実に驚いていると、その茶髪男子が真っ直ぐ僕の席に向かって来た。
「な~、メアド交換しよ、メアド」
「……?」
「ついでに学校終わってからヒマ? 遊び行かね?」
もしかして僕に話し掛けているんだろうか?
いや、きっとイケメン広瀬君に話し掛けているんだろう。
そう思っていたのだけれど、茶髪君はニコニコしながら僕を見つめている。
「え……あの……」
「メアドくらいいーじゃん。な、教えて?」
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