新しい人生の始まり

14/19
前へ
/501ページ
次へ
僕のメアドなんて聞いてどうするつもりなんだろう? そもそも僕はケータイを持ってないからメアドも無い。 「その……」 戸惑っている僕に助け船を出してくれたのか、イケメン広瀬君が「片桐、その辺にしておけよ」と茶髪君を諭してくれる。 「何でさ~、メアド聞いただけじゃん。俺何も悪い事してねーし」 「これからするかもしれないだろ」 「広瀬、ひで~!」 お互いに名前で呼び合う二人の顔を交互に見ていると、僕の視線に気付いたイケメン広瀬君が「コイツとは同じ中学だったんだ」と説明してくれた。 「あ、だから仲良いんだ」 「仲良くなんかねーし。それより俺はお前と仲良くなりてーんだけど?」 「え、僕?」 僕と仲良くなりたい? どうして僕なんかと? 「そーいや、名前聞いてなかったわ。俺は片桐颯太、よろしく~」 自己紹介しながら茶髪君が僕の右手を掴んで握り締める。 「あの……細田佳人です」 掴まれた手を見つめながら名前を告げると、今度はその手の指を僕の指と絡めてきた。 .
/501ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1626人が本棚に入れています
本棚に追加