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僕のメアドなんて聞いてどうするつもりなんだろう?
そもそも僕はケータイを持ってないからメアドも無い。
「その……」
戸惑っている僕に助け船を出してくれたのか、イケメン広瀬君が「片桐、その辺にしておけよ」と茶髪君を諭してくれる。
「何でさ~、メアド聞いただけじゃん。俺何も悪い事してねーし」
「これからするかもしれないだろ」
「広瀬、ひで~!」
お互いに名前で呼び合う二人の顔を交互に見ていると、僕の視線に気付いたイケメン広瀬君が「コイツとは同じ中学だったんだ」と説明してくれた。
「あ、だから仲良いんだ」
「仲良くなんかねーし。それより俺はお前と仲良くなりてーんだけど?」
「え、僕?」
僕と仲良くなりたい?
どうして僕なんかと?
「そーいや、名前聞いてなかったわ。俺は片桐颯太、よろしく~」
自己紹介しながら茶髪君が僕の右手を掴んで握り締める。
「あの……細田佳人です」
掴まれた手を見つめながら名前を告げると、今度はその手の指を僕の指と絡めてきた。
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