1626人が本棚に入れています
本棚に追加
「やっべ、マジ可愛いわ。食ってもいい?」
そう言うと茶髪君は絡めていた僕の指に口唇を寄せ、そのまま僕の指を舌でなぞる。
「うぇぇえ!? ちょっ……僕なんか食べても美味しくないです!」
「片桐!」
ゴッと鈍い音がしたかと思うと、茶髪君が僕から手を離し頭を抱えて蹲った。
「くっ……マジ痛ぇ。グーで殴るとか有り得ねぇんだけど……」
どうやらイケメン広瀬君が茶髪君の頭を殴ったらしい。
かなりいい音がしていたから相当痛いのだろう。
どうしたらいいのかと殴った張本人を見れば「自業自得だ」と茶髪君に呆れたような視線を向けている。
「だっ……大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃねぇわ。マジ死ぬ……」
「ぇえ!?」
「だから……メアド教えて」
「……は?」
一瞬何を言われたのか解らず固まっていると、茶髪君が顔を上げてニッコリ笑った。
「佳人がメアド教えてくれたらすぐ元気になるんだけど?」
.
最初のコメントを投稿しよう!