新しい人生の始まり

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「やっべ、マジ可愛いわ。食ってもいい?」 そう言うと茶髪君は絡めていた僕の指に口唇を寄せ、そのまま僕の指を舌でなぞる。 「うぇぇえ!? ちょっ……僕なんか食べても美味しくないです!」 「片桐!」 ゴッと鈍い音がしたかと思うと、茶髪君が僕から手を離し頭を抱えて蹲った。 「くっ……マジ痛ぇ。グーで殴るとか有り得ねぇんだけど……」 どうやらイケメン広瀬君が茶髪君の頭を殴ったらしい。 かなりいい音がしていたから相当痛いのだろう。 どうしたらいいのかと殴った張本人を見れば「自業自得だ」と茶髪君に呆れたような視線を向けている。 「だっ……大丈夫ですか?」 「大丈夫じゃねぇわ。マジ死ぬ……」 「ぇえ!?」 「だから……メアド教えて」 「……は?」 一瞬何を言われたのか解らず固まっていると、茶髪君が顔を上げてニッコリ笑った。 「佳人がメアド教えてくれたらすぐ元気になるんだけど?」 .
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