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確かに小さい頃は両親や親戚に『手足がぷくぷくしてて可愛いね』と言われていたが、成長するにつれそんな言葉は減り、今では一切誰からも言われる事はなくなっていた。
「僕が可愛いなんて有り得ないよ……お世辞にしても言い過ぎだと……」
「そんな事ない!」
キッパリと断言をした声の主であるイケメン広瀬君に目を向けると、顔を真っ赤にしていて。
「……っ!」
僕と目が合った途端にパッと顔を逸らされてしまう。
何かいけない事でもしてしまったのかと思い茶髪君の顔を見ると、イケメン広瀬君の様子を見てニヤニヤ意地悪そうな笑みを浮かべていた。
「そっかそっか~、無自覚なんだ。それなら尚更イジメたりセクハラしたくなるのも解るわ、うん」
「え……?」
「いやいや、コッチのハナシ」
今度は僕の方を見てニヤニヤ笑う茶髪君に、僕は頭に『?』を浮かべながら首を傾げた。
それから「家電でもいいから番号教えて」と言う茶髪君と番号交換をし、一緒に下校する約束を取り付けてから茶髪君はさっきの集団の中に戻って行った。
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