1625人が本棚に入れています
本棚に追加
/501ページ
いやいや、それならいっそ小さくて可愛い小動物に……。
そこまで考えて、今日何度目か解らない溜め息を吐いた。
「こんな事考えてたって人間辞められる訳ないじゃん……」
神様……僕はどうしたらいいんですか?
「嘆かわしいのぅ」
ふと、誰かの声が聞こえた。
両親はまだリビングに居るし、部屋には僕しか居ないはずなのに。
「これだから最近の若いもんは……軟弱で根性無しばっかりじゃな。あぁ~、嘆かわしい」
被っていた布団から頭を出し、キョロキョロと周りを見渡す。
誰も居ない。
居るはずがない。
「こっちじゃ、こっち」
その声を頼りに視線を向けると、ベッドの隣にある学習机の上に仁王立ちする人影が見えた。
……但しその人影は体長15センチ程の小さな物だったけど。
「最近の若いもんはゲームやらネットやらばっかりしおって、外で遊ぶ事もせんからそんな軟弱になるんじゃ。ワシの若い頃はなぁ、友達と集まっては野山を駆け回ってやんちゃしたもんじゃ」
.
最初のコメントを投稿しよう!