ハグとお弁当

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学校に着き自分の教室であるドアの前で立ち止まる。 大丈夫、昨日は特に虐められるような事は無かったし、今日も大人しく過ごしていれば何も起こらない筈だ。 緊張しながらドアの取っ手に手を掛けた瞬間。 「おっはよー!」 ガバッと後ろから何者かに抱き付かれた。 「うわっ!」 このパターンは今まで何回も経験した事がある。 後ろから羽交い締めにされて乳を揉まれるのだ。 中学時代、挨拶代わりにクラスメイトの男子に散々やられてきた。『止めて』なんて言っても相手は聞いてくれない。 だからただじっと耐えるしかない。 そう思っていたのに。 「アレ? 何か反応無い?」 僕の後ろに抱き付いている人物は乳を揉むどころか「どーかした?」と僕の顔を覗き込んでくる。 「……え?」 「ちょっとくらい反応してくれないと寂しいんだけど~?」 そう言って僕の左肩に顎を乗せてきたのは、茶髪君こと片桐君だった。 「えっと……片桐……君?」 「何? 朝からボケてた?」 ニコニコと人懐っこい笑顔を浮かべている片桐君は、どうやらスキンシップが好きらしい。 僕と会話しながらもギュッと僕に抱き付いていたのだから。 .
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