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「あ……あの、何してるんですか?」
思い切って尋ねてみるが、片桐君は「朝の挨拶」と答えるだけで一向に離す気配がない。
ど……どうしよう……。
振り切って逃げようか、それともやはり離してくれるのを待つか。
そんな事を考えている間にも片桐君は僕の頭に頬を擦り付け「今日も可愛いな~」と僕の抱き心地を堪能しているようだった。
いや、僕の抱き心地は良くないと思うんだけど……。
「朝っぱらから何してるんだ」
呆れたように声を掛けて来たのは、イケメン広瀬君。
僕の背中から片桐君を引き剥がすと、そのまま片桐君の頭にチョップを繰り出した。
「痛っ! そういう広瀬は朝っぱらから乱暴だよなー」
「うるさい」
「羨ましいなら羨ましいって言えば~?」
片桐君のその言葉に広瀬君の顔が一気に赤くなる。
「なっ……! 誰がっ……」
「もう、広瀬君ってば意地っ張りなんだから~」
「片桐!」
さっきよりも広瀬君の顔が赤くなっているように見えた。
広瀬君、照れてる?
でも……何で?
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