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「今日が何の日か解っておるか?」
「今日って……クリスマスですね」
「クリスマスにこんな格好してるんじゃ。誰かくらいすぐに解らんか、このバカモンが!」
クリスマスに赤い衣装を来た白髭おじいちゃん……まぁ、普通に考えればサンタさんだろうが……。
「……」
目の前に居る自称サンタは体長15センチ程しかない。
え、サンタってこんなに小さかったっけ?
「正体がバレたら仕方ない。ワシはサンタじゃ。お前さんにプレゼントを届けに来たんじゃがな?」
「プレゼント……?」
「プレゼントが待ち遠しくてワクワクしとるかと思ったら、布団にくるまってウジウジしとるじゃないか!」
ビシッと此方を指差されて、思わず身体が強張る。
「こりゃもうワシが説教の一つでもかましてやらねばと思ってな、わざわざ地上に降りて来てやったって訳じゃ」
胸を張って威張るサンタおじいちゃんに「はぁ……」と気のない返事をすれば、「何じゃ、その返事は!」と再び叱られてしまった。
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