出した答え。

33/34
1269人が本棚に入れています
本棚に追加
/375ページ
携帯が震えた。カマさんからの着信だった。だけど、それには出ずに着信画面だけヤマ兄に見せた。 「ヤマ兄。今日、本当はカマさんのクリスマスパーティに行く予定だったのじゃ。ごめんね」 「……」 「だから、もう行くね」 どんな理由でもいいから、早くその場を立ち去りたかった。 一緒に居ることが辛いと思うなんて。 片想いの頃とは別の痛みがあたしを襲う。 それはきっと、2人でいる喜びを知ってしまったせいだと思う。 「行けば?」 「うん」 「じゃあ、送る」と言って、ヤマ兄は歩き出した。 「あたし、ひとりで行けるよ?」 「危ないから、無理」 「でも……」 「せめて駅まで送らせろ」 「でも……」 「いいから」
/375ページ

最初のコメントを投稿しよう!