甘い時間。

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「やはり、あたしのヨダレがひどかったからかの?」 枕の上にしかれたタオルがぐっしょり湿っている。 「まあ、それもある」 「だって口閉じて寝れないんだもん」 昔からそうだったって知ってるくせに。 「アサといると寝れないから、ごめん。当分やめよう」 きっぱり言われた。あたしのヨダレは睡眠妨害をしてしまう程だったのか、と。 落胆の色を隠せないまま、部屋を出た。 慰めるようにキスはしてくれたけど、寂しい。こんな特権、あたしだけって思ってたのに。
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