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浦安早苗、輝く黒髪をポニーテールにまとめた元気一杯少女である。北習志野高校一の美貌を誇るその少女に、学園中の男子は胸をときめかせる。
「んと…こう書いてこう書くと…先生!この化学式でいいですかあ?」
「は、は、はい!…あ、浦安さん、残念ながら…」
「えー?間違えちゃったあ。てへっ?」
ところが同時に軽い女と言われる。今の一連の行為がその象徴。黒板に書く時には膝を伸ばし、スカートから見えてはいけないものを見えないギリギリの位置にまでして、男子の目を釘付けにさせる。その他にも、言動が何かと可愛いぶっていたりとか…
「江村さん以外とは仲良くないんだよな。あの人」
「えっ!?そ、そうなのかなあ…わたしは早苗ちゃんと仲良しなんだけど」
「なんでだろうね?」
その美貌と言動から、男に絶大な人気を誇る浦安早苗…
その美貌と天才的な頭脳から、先生方に絶大な人気を誇る江村ひかり…
「似た者同士だからだね」
多分。だから気が合うんじゃない?
「そうかなあ?わたし…早苗ちゃん程の美人じゃないよ?」
自分の美貌を100%認識する浦安早苗
自分の美貌を100%認識していない江村ひかり
………あ、何で仲いいのかわかった。
「江村さん、あなたが優しい人だからだ」
そうだ、そうに決まってる
「…早崎君、今なんて?」
「え?ああ、江村さんは優しい人だなあって言ったんだよ」
「……………ふぇ」
「え、江村さん?」
何だろう!?ただならぬ嫌な予感がするよっ!?
「ふぇぇぇえぇえっ!?そっ、そんにゃ…恥ずかしいよおおおっ!!」
江村ひかり、6時間目の教室でめっちゃ恥ずかしがる。
え、なんで?
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