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「はいっ」 「お前、口、固い?」  わたしは、ぱちぱち、と目を瞬いて、 「…えっと…。はい。固いほうだと思いますけど…」  先生は探るような目を向け、 「ホントに内緒にできる?」 「…出来ます」 「まだ、誰にも言うなよ」 「…言いませんっ」  先生がひょいひょい、と手で招いたので、わたしはワクワクして身を乗り出した。 「…実はさ」 「はいっ」  先生が、テーブルの上にぐっと身体を乗り出して、  ――唐突にわたしの唇を塞いだ。 「……っ」  目を閉じる間もなく、先生の唇が離れて行く。  一気に熱くなったわたしの顔を見て、先生が得意げな笑顔を浮かべた。
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